- SSDとは何かを知ろう!
- SSDの構成される5つの部品はこれ!
- 仕組みを知ると高速なSSDが選びやすい!
今更ながらお勉強。
頻繁に耳にするようになった『SSD』という言葉。なんとなく速いことは知っているが、どういう構造かは知っていない…。なので、“SSDとは何ぞや”を最初からお勉強してみます。
自作PCをこれからする人は、私と一緒に勉強してみよー!
自作PCを始めるのですね?
そうそうっ!
せっかくなら一番速いSSDを買いたいし、それで改めて調べてみようと思ったんだよー!
Contents
『SSD』とは?
そもそも、『SSD』とは『Solid State Drive』の略称です。
Solid State Driveの語源
- solid-state:固体の性質(真空管に比べて)を利用した半導体(セミコンダクター)の電気回路
- drive:ディスクドライブ(記憶装置)
わざわざSolid State Driveって呼んだりしないから、ここではSSDで統一して呼ぶよー!
SSDはHDDと同じで、記憶装置と呼ばれるものです。つまり、データを保存しておく“保管庫”ということ。その中でも、半導体素子メモリーを使った記録媒体のことを『SSD』と呼ぶ…ってことです。
半導体メモリーには、揮発性と不揮発性があるけど…これはまた今度っ!
SSDの特徴
SSDの特徴を簡単にメリット・デメリット形式で、下記のようにまとめてみました。
SSDのメリット
- 耐衝撃性に優れる。
- 読み書きがHDDより高速。
- 消費電力が少ない。
- 物理的な動作音がない。
- 小型軽量化が容易。
SSDのデメリット
- HDDに比べ容量単価がまだ高価。
- 大容量なSSDがまだ少ない。
- 突然死が起こり得る。
SSDの消費電力と突然死については、一概に言えない部分があったりします。
ちなみに、SSDにも寿命は当然存在しており、『TBW(Total Byte Written)』という総書き込み容量(寿命)を示す指標が存在しています。ちゃんとしたメーカーなら、製品サイトにTBWが記載されているので、これをSSDの寿命の指標にして購入するのがベター。
特殊な使い方(毎日TB級の読み書きをしまくるとか)をしなかったら、数年〜数十年は大丈夫だと思うけどねー。
SSDの構造
SSDの構造はすーっごく簡単なので、図にしてみました。
SSDを構成する要素
- 【A】インターフェース
- 【B】筐体
- 【C】NAND型メモリーコントローラー
- 【D】DRAMキャッシュメモリー
- 【E】NAND型フラッシュメモリー
これら5つの部品(コンポーネント)によって、SSDは構成されています。本当にシンプルな構成なので、興味がある人はSSDを分解してみてもいいかも…。
非常にシンプルですよね。
だよねー。
でも、深く掘り下げると長くなるから、この記事ではサクッと概要を解説していくことにするねー!
【A】インターフェース
インターフェース(コネクター・端子)とは、SSDとPCなどのデバイス側(ホスト側)とをつなぐ部分のことです。
主なインターフェースには、
- IDE:旧式の規格で現在では使われない
- ZIF:旧式の規格でiPodなどで使われていた
- SATA(Serial ATA):IDEの後継規格で現在の主流
- SAS:SCSI規格の一種でエンタープライズで利用
- PCIe:NVMe規格のSSDはこれを利用
- USB:外付けSSDはこれを利用
があり、近年ではSATA 3.0(これもちょっとレガシーだが)や、PCIeが使われています。USB接続のSSDは、ポータブルSSDなやつですな。SASはエンタープライズ向けなので、個人利用ならスルーで大丈夫なはず。
SSDは、今後はSATAとPCIeが残る…なんて記事もあったりねー。
インターフェースによって、転送速度も変わってくるので、購入時は当然チェックが必要な項目になってきます。
【B】筐体
筐体とは、言うなれば“SSDの物理的な規格”という感じです。要するに、形状の違うSSDがこの世には存在しているということ。
筐体の規格 | インターフェース |
1.8インチ | SATA ZIF |
2.5インチ | IDE SATA |
M.2 | PCIe SATA |
U.2 | PCIe |
PCIe AIC | PCIe |
mSATA | SATA |
SSDの筐体規格と主な接続インターフェースの相関表。
最近だと、M.2筐体のSSDが主流になりつつありますが、転送速度の遅いSATAと転送速度の速いPCIe(NVMe)が混在していることに注意。これらにはちゃんと“見分け方”があるので、こちらは別の記事(話すと長くなるので)にします。
速いSSDが欲しいなら、PCIe接続のM.2筐体SSDを買っておけばおけおーな感じっ!
PCIe接続のM.2筐体SSD
【C】NAND型メモリーコントローラー
NAND型メモリーコントローラーとは、SSDの中心部分で、これでSSDの良し悪しが決まると言ってもいいレベルで重要なファクターです。
コントローラー部は、SSDのコア(核)な部品で、読み書き・耐久性・不良ブロックの処理などの超重要なお仕事をしています。まさに、性能や信頼性を評価するキモ。
お仕事内容は…
- ガベージコレクション(不要メモリ領域の自動開放)
- ウェアレベリング(セル使用率の均一化による寿命対策)
- ECCリフレッシュ(エラー検出&訂正)
なんかをしてくれているよー!偉いっ!
NAND型メモリーコントローラーの有名どころはいろいろですが、個人的にはIntelとSamsungが良きだと思っています。
SSDでプチフリが起こると言われていたのも、コントローラーが原因。昔はJMicron製やSandForce製のコントローラーでプチフリが発生していた。でも、そんなのは今は昔で、SSDでプチフリなんて、もはや過去の出来事です。気にしなくてOK。
Samsung製メモリーコントローラー搭載SSD
【D】DRAMキャッシュメモリー
DRAMキャッシュメモリーとは、キャッシュ、つまりデータを一時的に保管しておく場所のことです。
このキャッシュメモリーがあることにより、ランダムアクセス(並んだ順序とは無関係なデータのアクセス)が高速化されます。ただ、安価なSSDには、このDRAMキャッシュメモリーが搭載されていないのが常…。
SSDに絶対的に必要な要素ではないキャッシュメモリー。ただ、ランダムアクセスの速度が変わってくる以上、このキャッシュメモリーの有無も、高速なSSDを選択する上では重要なファクターになってきます。
速いSSDが欲しいなら、256MB以上キャッシュメモリーが搭載されてるものを選ぶべきだよー!
DRAMキャッシュメモリー搭載のSSD
【E】NAND型フラッシュメモリー
NAND型フラッシュメモリーとは、実際にデータを保存しておく“容量”な部分です。
このNAND型フラッシュメモリーのタイプには、SLC・MLC・TLC・QLCが存在しています。このワードは聞いたことがある人も多いはず。
タイプ | セルのビット数 | 耐久性 | 価格 |
SLC | 1bit | 高 | 高価 |
MLC | 2bit | 中〜高 | 中〜高 |
TLC | 3bit | 低〜中 | 安〜中 |
QLC | 4bit | 低 | 安価 |
主なNAND型フラッシュメモリーのタイプ。
データは2進数(0と1)で扱われ、そのデータを1つの箱に入れるイメージ。なので、入れる箱を増やせば大容量になります。
2進数とは何かを知りたい人は、ITパスポートを受験してみるといいかもだよー!
ただ、その大容量化にも物理的な限界が来てしまうので、最近では『マルチビットセル』と『3D NAND』という2つの技術が用いられ、より大容量なSSDが作られています。
つまり、半導体の微細化が厳しくなったので、1つの箱に入れられる容量を増やしたり、箱自体をレイヤー化して増やした感じですね?
このへんは超難しいから間違ったことは言えないけど、そーんなイメージかなー?
SSD購入時のポイント
簡単ではありますが、これらのSSDの構造を踏まえて、より高速なSSDを購入したいならば、
- インターフェースはPCIe
- 筐体はNVMe規格のM.2
- NAND型メモリーコントローラーは信頼性の高いメーカー
- DRAMキャッシュメモリーは256MB以上
- NAND型フラッシュメモリーはSLC・MLCで大容量
ここまでで話していなかったのですが、SSDは容量に比例して高速になる(同時に多くのフラッシュメモリーに書き込めるため)傾向があります。なので、容量の大きいSSDを選ぶのが理想。また、本当はSLCが良きですが、コスパ的にはMLCが良い落とし所な気がします。
NVMeなM.2で、キャッシュもあって、1TBなMLCタイプのSSDを買えば…最強な気がするぞっ!
どうして、SLCではないのですか?
NVMeなSLCタイプのSSDは、今のところ売ってないのであーる…。
個人的最強SSD = Samsung『SSD 970 PRO』
まとめ「SSDは単純な構成だけど超絶高速だ!」
もう一度、SSDとは何かを要点だけまとめると、
- SSDは半導体素子メモリーを使った記録媒体
- HDDより高速で耐衝撃性にも優れる
- SSDは主に5つの部品から構成されている
- 高速なSSDが欲しいならNVMe規格のM.2 SSDを選ぶ
という感じです。
面倒な説明はいいから、この要点だけ知りたかったりするんやけど…。
ええー!?
それだと楽しみっていうか、エモみがないじゃんかー!こういうのは知ってこそだよっ!!
この記事で紹介したガジェット
おまけ
すっごいどーでもいいけど、『メモリ』と『メモリー』の表記ブレが気になるのであーるっ。
学術的には長音記号ナシですけど、Windowsや時流的には長音記号アリですからね。
日本語のややこしいところやんね…。
賛否あるけど、8vividでは長音記号アリで統一しようと思ってるんだよねー。
おわり