○○とは?

★図解★SSDとは?—初心者向けに特徴・構造・購入ポイントを総まとめ

★図解★SSDとは?—初心者向けに特徴・構造・購入ポイントを総まとめ

記事のポイント

  • SSDとは何かを知ろう!
  • SSDの構成される5つの部品はこれ!
  • 仕組みを知ると高速なSSDが選びやすい!

今更ながらお勉強。

頻繁に耳にするようになった『SSD』という言葉。なんとなく速いことは知っているが、どういう構造かは知っていない…。なので、“SSDとは何ぞや”を最初からお勉強してみます。

二条ねこ

自作PCをこれからする人は、私と一緒に勉強してみよー!

まの

自作PCを始めるのですね?

二条ねこ

そうそうっ!
せっかくなら一番速いSSDを買いたいし、それで改めて調べてみようと思ったんだよー!

『SSD』とは?

『SSD』とは?

そもそも、『SSD』とは『Solid State Driveソリッドステートドライブ』の略称です。

Solid State Driveの語源

  • solid-state:固体の性質(真空管に比べて)を利用した半導体(セミコンダクター)の電気回路
  • drive:ディスクドライブ(記憶装置)
二条ねこ

わざわざSolid State Driveって呼んだりしないから、ここではSSDで統一して呼ぶよー!

SSDはHDDハードディスクドライブと同じで、記憶装置と呼ばれるものです。つまり、データを保存しておく“保管庫”ということ。その中でも、半導体素子メモリーを使った記録媒体のことを『SSD』と呼ぶ…ってことです。

二条ねこ

半導体メモリーには、揮発性と不揮発性があるけど…これはまた今度っ!

SSDの特徴

SSDの特徴

SSDの特徴を簡単にメリット・デメリット形式で、下記のようにまとめてみました。

SSDのメリット

  • 耐衝撃性に優れる。
  • 読み書きがHDDより高速。
  • 消費電力が少ない。
  • 物理的な動作音がない。
  • 小型軽量化が容易。

SSDのデメリット

  • HDDに比べ容量単価がまだ高価。
  • 大容量なSSDがまだ少ない。
  • 突然死が起こり得る。

SSDの消費電力と突然死については、一概に言えない部分があったりします。

ちなみに、SSDにも寿命は当然存在しており、『TBW(Total Byte Written)』という総書き込み容量(寿命)を示す指標が存在しています。ちゃんとしたメーカーなら、製品サイトにTBWが記載されているので、これをSSDの寿命の指標にして購入するのがベター。

二条ねこ

特殊な使い方(毎日TB級の読み書きをしまくるとか)をしなかったら、数年〜数十年は大丈夫だと思うけどねー。

SSDの構造

SSDの構造

SSDの構造はすーっごく簡単なので、図にしてみました。

SSDを構成する要素

  • 【A】インターフェース
  • 【B】筐体
  • 【C】NAND型メモリーコントローラー
  • 【D】DRAMキャッシュメモリー
  • 【E】NAND型フラッシュメモリー

これら5つの部品(コンポーネント)によって、SSDは構成されています。本当にシンプルな構成なので、興味がある人はSSDを分解してみてもいいかも…。

まの

非常にシンプルですよね。

二条ねこ

だよねー。
でも、深く掘り下げると長くなるから、この記事ではサクッと概要を解説していくことにするねー!

【A】インターフェース

【A】インターフェース

インターフェース(コネクター・端子)とは、SSDとPCなどのデバイス側(ホスト側)とをつなぐ部分のことです。

主なインターフェースには、

  • IDE:旧式の規格で現在では使われない
  • ZIF:旧式の規格でiPodなどで使われていた
  • SATA(Serial ATA):IDEの後継規格で現在の主流
  • SAS:SCSI規格の一種でエンタープライズで利用
  • PCIe:NVMe規格のSSDはこれを利用
  • USB:外付けSSDはこれを利用

があり、近年ではSATA 3.0(これもちょっとレガシーだが)や、PCIeが使われています。USB接続のSSDは、ポータブルSSDなやつですな。SASはエンタープライズ向けなので、個人利用ならスルーで大丈夫なはず。

二条ねこ

SSDは、今後はSATAとPCIeが残る…なんて記事もあったりねー。

インターフェースによって、転送速度も変わってくるので、購入時は当然チェックが必要な項目になってきます。

【B】筐体

【B】筐体

筐体とは、言うなれば“SSDの物理的な規格”という感じです。要するに、形状の違うSSDがこの世には存在しているということ。

筐体の規格 インターフェース
1.8インチ SATA
ZIF
2.5インチ IDE
SATA
M.2 PCIe
SATA
U.2 PCIe
PCIe AIC PCIe
mSATA SATA

SSDの筐体規格と主な接続インターフェースの相関表。

最近だと、M.2筐体のSSDが主流になりつつありますが、転送速度の遅いSATAと転送速度の速いPCIe(NVMe)が混在していることに注意。これらにはちゃんと“見分け方”があるので、こちらは別の記事(話すと長くなるので)にします。

二条ねこ

速いSSDが欲しいなら、PCIe接続のM.2筐体SSDを買っておけばおけおーな感じっ!

PCIe接続のM.2筐体SSD

Crucial P1 1TB(CT1000P1SSD8JP)
Crucial

【C】NAND型メモリーコントローラー

【C】NAND型メモリーコントローラー

NAND型メモリーコントローラーとは、SSDの中心部分で、これでSSDの良し悪しが決まると言ってもいいレベルで重要なファクターです。

コントローラー部は、SSDのコア(核)な部品で、読み書き・耐久性・不良ブロックの処理などの超重要なお仕事をしています。まさに、性能や信頼性を評価するキモ。

二条ねこ

お仕事内容は…

  • ガベージコレクション(不要メモリ領域の自動開放)
  • ウェアレベリング(セル使用率の均一化による寿命対策)
  • ECCリフレッシュ(エラー検出&訂正)

なんかをしてくれているよー!偉いっ!

NAND型メモリーコントローラーの有名どころはいろいろですが、個人的にはIntelとSamsungが良きだと思っています。

SSDでプチフリが起こると言われていたのも、コントローラーが原因。昔はJMicron製やSandForce製のコントローラーでプチフリが発生していた。でも、そんなのは今は昔で、SSDでプチフリなんて、もはや過去の出来事です。気にしなくてOK。

Samsung製メモリーコントローラー搭載SSD

【D】DRAMキャッシュメモリー

【D】DRAMキャッシュメモリー

DRAMキャッシュメモリーとは、キャッシュ、つまりデータを一時的に保管しておく場所のことです。

このキャッシュメモリーがあることにより、ランダムアクセス(並んだ順序とは無関係なデータのアクセス)が高速化されます。ただ、安価なSSDには、このDRAMキャッシュメモリーが搭載されていないのが常…。

SSDに絶対的に必要な要素ではないキャッシュメモリー。ただ、ランダムアクセスの速度が変わってくる以上、このキャッシュメモリーの有無も、高速なSSDを選択する上では重要なファクターになってきます。

二条ねこ

速いSSDが欲しいなら、256MB以上キャッシュメモリーが搭載されてるものを選ぶべきだよー!

DRAMキャッシュメモリー搭載のSSD

【E】NAND型フラッシュメモリー

【E】NAND型フラッシュメモリー

NAND型フラッシュメモリーとは、実際にデータを保存しておく“容量”な部分です。

このNAND型フラッシュメモリーのタイプには、SLC・MLC・TLC・QLCが存在しています。このワードは聞いたことがある人も多いはず。

タイプ セルのビット数 耐久性 価格
SLC 1bit 高価
MLC 2bit 中〜高 中〜高
TLC 3bit 低〜中 安〜中
QLC 4bit 安価

主なNAND型フラッシュメモリーのタイプ。

データは2進数(0と1)で扱われ、そのデータを1つの箱に入れるイメージ。なので、入れる箱を増やせば大容量になります。

二条ねこ

2進数とは何かを知りたい人は、ITパスポートを受験してみるといいかもだよー!

ただ、その大容量化にも物理的な限界が来てしまうので、最近では『マルチビットセル』『3D NAND』という2つの技術が用いられ、より大容量なSSDが作られています。

まの

つまり、半導体の微細化が厳しくなったので、1つの箱に入れられる容量を増やしたり、箱自体をレイヤー化して増やした感じですね?

二条ねこ

このへんは超難しいから間違ったことは言えないけど、そーんなイメージかなー?

SSD購入時のポイント

SSD購入時のポイント

簡単ではありますが、これらのSSDの構造を踏まえて、より高速なSSDを購入したいならば、

  • インターフェースはPCIe
  • 筐体はNVMe規格のM.2
  • NAND型メモリーコントローラーは信頼性の高いメーカー
  • DRAMキャッシュメモリーは256MB以上
  • NAND型フラッシュメモリーはSLC・MLCで大容量

ここまでで話していなかったのですが、SSDは容量に比例して高速になる(同時に多くのフラッシュメモリーに書き込めるため)傾向があります。なので、容量の大きいSSDを選ぶのが理想。また、本当はSLCが良きですが、コスパ的にはMLCが良い落とし所な気がします。

二条ねこ

NVMeなM.2で、キャッシュもあって、1TBなMLCタイプのSSDを買えば…最強な気がするぞっ!

まの

どうして、SLCではないのですか?

二条ねこ

NVMeなSLCタイプのSSDは、今のところ売ってないのであーる…。

個人的最強SSD = Samsung『SSD 970 PRO』

まとめ「SSDは単純な構成だけど超絶高速だ!」

まとめ「SSDは単純な構成だけど超絶高速だ!」

もう一度、SSDとは何かを要点だけまとめると、

  • SSDは半導体素子メモリーを使った記録媒体
  • HDDより高速で耐衝撃性にも優れる
  • SSDは主に5つの部品から構成されている
  • 高速なSSDが欲しいならNVMe規格のM.2 SSDを選ぶ

という感じです。

砂瀧えり

面倒な説明はいいから、この要点だけ知りたかったりするんやけど…。

二条ねこ

ええー!?
それだと楽しみっていうか、エモみがないじゃんかー!こういうのは知ってこそだよっ!!

この記事で紹介したガジェット

おまけ

二条ねこ

すっごいどーでもいいけど、『メモリ』と『メモリー』の表記ブレが気になるのであーるっ。

まの

学術的には長音記号ナシですけど、Windowsや時流的には長音記号アリですからね。

砂瀧えり

日本語のややこしいところやんね…。

二条ねこ

賛否あるけど、8vividでは長音記号アリで統一しようと思ってるんだよねー。

おわり