- Google Chrome化してもオリジナリティーは健在!
- 「使いにくい」や「重い」というイメージは皆無!
- MacユーザーならSafariからの乗り換えもアリ!
個人的にはEdgeは高評価。
macOS向けMicrosoft Edgeベータ版がリリースされていたので、フロントエンドエンジニア目線で試用評価をしてみました。いわゆるMicrosoft Edgeの“Google Chrome化”によって生まれたmacOS版Edge。その使い勝手を見てみます。
ベースがChromiumになったけど、随所にMSらしさが見え隠れって感じかなー。
デザイン思想が根本的に違う感じもしますからね。
にしても、最近のMicrosoftはボーダーレス化してるやんね。
Contents
Microsoft Edgeの概要
試用した評価を話す前に、『Microsoft Edge』の技術的なこと(仕様)について触れておきます。
Microsoft Edgeの仕様
Microsoft Edgeは、Windows/iOS/Android版がそれぞれリリースされています。Windows 10ユーザーなら、デフォルトブラウザがこのMicrosoft Edgeになっているはずです。
HTMLレンダリングエンジン | Windows:Blink macOS:Blink Android:Blink iOS:Webkit |
JavaScriptエンジン | Google V8 JavaScript Engine |
Microsoft Edgeの技術仕様。
フロントエンドエンジニアとして注目しておくべき各種エンジンですが、現在のバージョンでは上記のような仕様になっているはず。
いわゆる、Microsoft Edgeの“Google Chrome化”によって、
- HTMLレンダリングエンジン:EdgeHTML → Blink
- JavaScriptエンジン:Chakra → Google V8 JavaScript Engine
に現在のバージョンでは置換されています。
ん?iOSだけ『Webkit』なんやけど?
iOS/iPadOSでWeb表示する場合は、Apple開発のWebkitを使わないとダメなルールになっているんだよー。アプリ開発をすると、このへんがモバイルOSでのネックになるんだよねー。
さすがAppleやね…。
macOS版Edgeはベータ版
2019年8月時点でのmacOS版Microsoft Edgeは、まだベータ版です。なので、“使用”ではなく“試用”という観点で評価をしていきます。
また、このベータ版には、Beta Channel・Dev Channel・Canary Channelが存在しています。詳しい説明は省略しますが、今回の試用評価は『Beta Channel』という安定したベータ版でテストを行っています。
ベータ版だから、製品版とは仕様が異なる場合があるってことですなー。
macOS版Microsoft Edge試用評価
評価は『Microsoft Edge Beta Update 77.0.235.9』を、macOS Mojave搭載MacBook Pro 13″(2018)にインストールし、行ったものです。
前述のとおり、現在のMicrosoft EdgeはChromiumベース。なので、どこがGoogle Chromeと違うのか、機能はどうなっているのか、そこを評価ポイントして見ていきます。
デザインについて
まずは、macOS版Microsoft Edgeのデザインを見ていきます。
基本UIはGoogle Chrome風
基本的なUIを見ると、ボタン配置やタブバーなどがGoogle Chromeから踏襲された形になっています。このへんは、BraveやKinzaのようなChromiumベースWebブラウザと同様の傾向。
良いように言うと、他のChromiumベースWebブラウザから移行しやすい。
悪いように言うと、Microsoft Edgeらしさがない。
そんな感じのChromiumのベーシックなスタイルを取っている、mac版Microsoft Edgeの基本UIでした。
ホームタブはMicrosoftらしさあり
ホームタブには、すでに他のデバイスで採用されているニュースフィードが、macOS版にも搭載されていた。
このニュースフィードは無限ローディング(Ajaxの非同期通信な感じ)が採用されており、非常に快適にニュースのタイムラインが閲覧できる仕様となっている。動作に関しても、無限ローディングは非常に軽快で、ノンストレスでサクッとニュースが閲覧できるようになっている。
ホームタブの画面レイアウトについては、
- シンプル
- イメージ
- ニュース
から任意で選択できるようになっている。(カスタムも可能)
ホームタブも含めて、随所にMicrosoftっぽさがある感じがするかも?多機能ってわけじゃないけど、シンプルに使いやすくて良いと思うっ!
機能について
お次は機能について。特にChromium化したことによって、期待したい部分だったりします。
ダークテーマ搭載
2019年、フロントエンドエンジニア兼デザイナーとして触れておきたいのが、『ダークテーマ』というもの。
macOS、Evernote、YouTube…ダークテーマを採用したUIは、もはや枚挙に暇がない。なので、Microsoft Edgeに当該機能が搭載されたとしても、何ら違和感はない。Vivaldiなんて、もっと多様なダークテーマがある。ただ、トレンドをしっかり取り入れたMicrosoftの姿勢に、今後のマルチデバイスやオープンな雰囲気を感じ取ることができる。
拡張機能はChromeとEdgeの2種
Chromium化で期待したいのが、多様なGoogle Chromeのアドオン(拡張機能)ライブラリーが使えること。
ユーザーにとってのChromium化最大の恩恵は、Chrome拡張機能がインストールできるようになったこと。一部のChromiumベースWebブラウザでは、拡張機能利用制限があるものもあるが、macOS版Microsoft Edgeでは特に問題はなかった。
なお、事前に設定の『拡張機能』で、他のストアからの拡張機能を許可します。をONにしておく必要がある。
面白いのは、Chromium化したのにもかかわらず、Microsoft Edgeの機能拡張(拡張機能ではない!)もインストールできること。
Microsoft Edgeの機能拡張については、Microsoft EdgeのChromium化により、個人的には今後終息していくと予想している。ただ、ある意味では最大の差別化とも言えなくない。多様な選択肢を残しておいてほしいものです。
Webサイトのアプリ化
Chromium化の恩恵として、Webサイトをアプリケーション化することが可能になっています。その手順はGoogle Chromeと同様でした。
Webサイトをアプリ化すると、
ユーザーフォルダー > アプリケーション > Edgeベータ版アプリケーション
のディレクトリにアプリが格納された。
このへんの挙動に関しても、Google Chrome同様。言い換えると、macOS版Microsoft Edgeは、素直にGoogle Chromeらしさを継承しているということになる。
Windows Defender SmartScreen
この『Windows Defender SmartScreen』は、セーフブラウジングシステムの中でもわりと良い防御率を誇っている。こちらはMicrosoft Edge本来の機能ですが、Chromium化しても標準搭載。
Read Aloud
この『Read Aloud』は音声読み上げ機能のこと。
Webサイト・PDF・電子書籍を読み上げることが可能です。
フロントエンド側で、Webサイトの音声読み上げのアクセシビリティを考慮する…なんて話もあった。ただ、総務省のガイドラインからも、Webサイト側でこのようなアクセシビリティを考慮するよりも、アプリケーション側で対応すべきというのが適でしょう。それを鑑みると、このRead Aloudは、より上流に近い部分でアクセシビリティに考慮できるので、悪くない機能だと個人的には思う。
Touch Bar対応
macOS版Microsoft EdgeではTouch Barに対応しており、上画像のようにタブの切り替えや、動画や音楽のシークバーをTouch Bar上からコントロール可能になっている。
本家Google Chromeと、ちょっと挙動が違うところが面白かったりするんだよね〜♪
開発面について
デベロッパーツール
Google Chromeのデベロッパーツールは非常に使いやすく、個人的には気に入って使っているが、macOS版Microsoft EdgeのデベロッパーツールはGoogle Chromeと一緒でした。
フロントエンド的には、あの忌まわしいInternet ExplorerやMicrosoft Edgeだけ特殊仕様…なんてことがなくなったわけです。特にIEに対応させるためだけに、@-ms-keyframesや-ms-*なんてベンダープレフィックスを記述する煩わしさもなくなるというわけ。
市場の競争とか多様性ってことはあるけど、フロントエンド的にはレンダリングエンジンは統一させてほしいからねー。
今の時代は『モダンブラウザ』なので、そこまで気にしなくてもよいのですがね。それでも面倒はありますからね。
試用評価の総括
あくまでベータ版ですが、macOS版Microsoft Edgeの評価は良き。
個人的にはMicrosoft Edgeは面白いので、以前からWindows版・iOS版・Android版を触っているのですが、macOS版が一番“角がない”万人受けする使い勝手だと評価します。
Microsoft “Edge” だけにね〜♪
激寒ギャグ……。
ネットで散見されるように、確かにWindows版は「使いにくい」とちょっと思ってしまいます。ただ、今回のmacOS版に関しては、使いにくいと思うよりも「そうそう」と納得できる使い勝手。特に動作が重いということもなく、アクティビティモニタでチェックしても、メモリ食いな様子はありませんでした。
「使いにくい」とか「ゴミ」とか、酷い言われようだったMicrosoft Edge。今回のChromium化で、SafariやGoogle Chromeから乗り換える人がいても納得できる出来だと思います。それくらい良き。
まとめ「良い意味でMicrosoftらしさが詰まっている」
Microsoft EdgeがGoogle Chrome化すると聞いて、一時は「MicrosoftもGoogleか…」と落胆していたのですが、ベータ版を見る限り、良い意味でMicrosoftらしさを残したバージョンアップだと思います。
Google Chromeが“素”としたら、Microsoft Edgeは“初心者向け”なチューニングが施されている感じ。なので、拡張機能も無駄に多くインストールする必要もない気がします。
macOS版Microsoft Edge…いいかもっ!?
この記事で紹介したガジェット
おまけ
わりかし高評価ですね。
素直に褒めていいアプリケーションに仕上がってると思うんだよねー!
アカウントで同期もできるし、マルチデバイス対応だし、Safariの移行先にいいかもやね!
SafariはAppleデバイス専用だからねー。
おわり