- CPU性能の確認は5つの指標をチェック!
- コア数とクロック周波数だけが性能じゃない!
- 知っておくとCPUが選びやすくなる!
5つ要素でCPUの性能が決まる。
自作PCを始めるなら、やっぱり気になるCPU性能。コア数・スレッド数・クロック周波数は購入の際に見る人も多いはず。ですが、実はほかにもCPU性能を決める要素があったりします。なので、CPUの性能を決める5つの指標と、その見方をおさらいします。
『Core i9-9900K』と『Core i7-9700K』なら、どっちが高性能だと思うー?
そりゃ、i9やんね!
じゃあ…『Core i7-9700K』と『Core i7-8700』だったらー?
Contents
CPUの性能を決める5つの要素
上画像はIntelが公式で出している『Intel Core i9-9900K』のスペック表です。
画像下の『パフォーマンス』をチェックだぞっ!
CPUの性能を決める要素
- コア数
- スレッド数
- クロック周波数
- キャッシュ
- バススピード
先程の画像に『パフォーマンス』という項目がありましたが、そこにCPUの性能を決める指標が書かれています。そちらを5つにまとめると上記のような感じです。
つまり、この5つの要素の数値がCPUの性能を決定する指標になっている…ということです。言うなれば、“5大要素”って感じです。
勝手に決めましたね…。
性能を決める要素の用語解説
それでは、CPUの性能を決める指標、『コア数』・『スレッド数』・『クロック周波数』・『キャッシュ』・『バススピード』をそれぞれ順を追って見ていきましょう。
コア数
『コア数』とは、1つのコンポーネント(ダイ・チップ)に含まれる独立したCPUの数のことです。
一昔前は、1つのコンポーネントに1つのCPUというのが当然でした。しかし、現在では1つのダイに複数のCPUコアが組み込まれているのです。つまり、物理的に演算ユニットの集合体であるCPUコアが複数含まれているCPUが、現在では主流ということ。これはご存知の人が多いはず。
CPUのコア数は、当然多いほうが高性能です。
よくCPUのコア数は、人間の“脳みそ”に例えられます。そう考えると、コア数が2コア、4コア、6コア…と増えてくると、より高性能になってくるイメージが分かりやすくなるはず。
余談ですが、AMDには『Ryzen Threadripper 2990WX』という32コア64スレッドの化け物CPUがあります。同社には『Rome』というコードネームのCPUもあり、これが製品化すれば64コア128スレッドという、どこに行きたいのか分からないレベルのCPUが世に出ることになります。うん、恐ろしい……。
64コア128スレッド…ですか。
完全にコンシューマー向けじゃないけど、そこにロマンはあるよねー!
スレッド数
『スレッド数』とは、OS上で認識されるCPUのコア数のことです。
CPUコア数が物理的な数(物理コア)に対して、CPUスレッド数は擬似的な仮想コア数(論理コア)という違いがあります。この擬似的にコア数を増やすことを『同時マルチスレッディング』と呼んだりします。
このCPUスレッド数は、コア数と同様に多いほうが高性能です。
この同時マルチスレッディングの技術は、Intel製CPUでは『Hyper-Threading Technology』(HTT)と呼び、AMD製CPUでは『Simultaneous MultiThreading』(SMT)と呼びます。この技術に対応したCPUは、物理コアが4つならば、論理コアは8つになります。つまり、コア数の2倍スレッド数があるということ。もちろん、安価なCPUにはHTTやSMTに非対応なものが多いです。
これがいわゆる、6コア12スレッドの“12スレッド”を指してるってことですな〜♪
ただ、ここで1つ気をつけないといけないことがあります。
それは、2コア4スレッドと4コア4スレッドだと、4コア4スレッドのほうが高性能だということです。つまり、同じスレッド数の場合でも元のコア数が多いほうが高性能ということ。
スレッド数はあくまで論理コアなので、物理的に演算ユニットが増えているわけではありません。だから、スレッド数の多さだけを注目するのではなく、元の物理コア数をチェックする必要が購入の際には出てくるということです。
元のコア数が多くて、さらにHTT・SMT対応やと良いってことやね!?
そゆことになるねー!
クロック周波数
『クロック周波数』とは、回路の処理歩調を合わせる信号(クロック信号)が1秒間に何回発生するかを示した値のことです。ここで言うクロック周波数は、『内部クロック』を指します。
このクロック周波数はHz単位(近年ではGHz単位)で表されます。もちろん、このクロック周波数の数値が大きければ大きほど高性能になります。3.0GHzと4.2GHzなら、後者のほうが高性能ということになります。
ここでもう1つ知っておきたいのが、クロック周波数には、
- ベース動作クロック周波数
- ターボ動作クロック周波数
の2種類があるということです。(名前は便宜的につけた)
ベース動作クロック周波数は、いわゆる“定格”で動くクロック周波数。つまり、どのCPUでも存在するベースのクロック周波数のことです。
対して、ターボ動作クロック周波数は、『パワーゲート』というCPUコアのスイッチを自動制御して、一時的にクロック周波数を上げられるものです。
このようなCPUが自動的に行ってくれるクロックアップは、
- Intel製CPUだと『Intel Turbo Boost Technology』
- AMD製CPUだと『AMD Turbo CORE Technology』
というネーミングで呼ばれています。
ですので、ベースのクロック周波数の高さと、自動的に行なってくれるクロックアップでの最大クロック周波数を購入時は見ておくとOK。
これって…自動オーバークロックになるん?
オーバークロックとは違う感じかなー。
オーバークロックと違って、Intel TBもAMD Turbo COREも、CPUでちゃんと発熱処理も“制御されてる”からねー。頑張るけど無理はしてないって感じかな〜!
キャッシュ
『キャッシュ』とは、CPUキャッシュメモリーのことで、バスインターフェースから受け取ったデータを一時的に保管しておく場所のことです。
メモリーというと、RAMのイメージが強いですが、CPUの内部にもキャッシュメモリーという形でメモリーが搭載されています。このCPUキャッシュメモリーがあることにより、データをRAMまでアクセスする手間が省けるのです。言うなれば、本棚まで行かなくてもデータが手元にある感じ。
ですので当然ですが、CPUキャッシュメモリーは、あればあるだけ高性能という見方ができます。
このCPUキャッシュメモリーには、
- 1次キャッシュ(L1キャッシュ)
- 2次キャッシュ(L2キャッシュ)
- 3次キャッシュ(L3キャッシュ)
というキャッシュレベルの種類が存在します(存在しない場合もある)。
1〜3次の各CPUキャッシュメモリーは、数字が若くなるほど高速になっていきます。ただ、購入するときにはここをシビアに見すぎてもしょうがない気もしなくもないですがね…。単にキャッシュ量の多さを指標にしたほうが分かりやすいはず。
合計のキャッシュ数に関しては、IntelやAMDのCPUスペックシートに記載されているので、そちらの指標を参考にしてみると良さげです。
どうしてこうなってるかは、『CPUとは?』の記事を参考にしてみてねー!
バススピード
『バススピード』とは、CPUとそれ以外のコンポーネントとをやり取りするスピードのことです。
このバススピードは、『FSB』(フロントサイトバス)という指標で表されます。バススピードの表記は「8GT/s DMI3」という感じで、スペックシート上ではなされているはずです。当然、バススピードは速いほど高性能なCPUとなります。
ちなみに、このFSBについては、Intel Core i5/i7だと『QPI』(FSBの上位互換のようなもの)や『DMI』(CPUとマザーボードを直接的にやり取りするようなもの)というテクノロジーが使われています。AMDでも『HyperTransport』という似たいようなテクノロジーがあります。
ただ、細かいことは抜きにして、現在ではバススピードはそこまで見なくてもよくなってきている模様。なので、あくまで目安の指標としておくとよさそうです。
マザーボードとCPUのFSBを見ることも今はないからねー。
あくまで参考的な指標ということですね。
5大要素から見るCPU購入時のポイント
順当に上位CPUを買えばよい
これを言ってしまったら終わりになってしまう感アリアリですが、まぁ…順当に上位のCPU(Core i9/i7やRyzen 9/7)を買えば問題ナシです。
- Xeon
- Core i9
- Core i7
- Core i5
- Core i3
- Core m7
- Core m5
- Core m3
- Pentium
- Celeron
- Atom
- Ryzen Threadripper
- Ryzen 9
- Ryzen 7
- Ryzen 5
- Ryzen 3
- Opteron
- Athlon
- AMD FX
- AMD A-Series
- AMD E-Series
いやいや、それを言ったら…。
終わりですよ…。
いやー、あははー。
メーカーもスペックの序列を分かりやすくするために、わざわざシリーズ名をつけてくれてるわけだからねー。
同シリーズならば5大要素を確認
今回説明したCPUの性能(スペック)を決定する5つの指標を使う場合は、同シリーズ(例:Core i7とCore i7)でのCPU比較でしょう。
IntelもAMDも同じシリーズ内に、いくつかCPUをラインナップしています。なので、そのシリーズで一番自分に合いそうなCPUを探している、といったシーンで今回の性能指標が使えるはず。…せっかくなので、使ってやってください。
特に『コア数』・『スレッド数』・『クロック周波数』に注目だね〜♪
まとめ「CPUの性能基準は5つの指標をチェック!」
まとめると、CPUの性能(スペック)を決める大きな要素として、『コア数』・『スレッド数』・『クロック周波数』・『キャッシュ』・『バススピード』の5つがあるということです。
最初に紹介したIntelのCPUスペック表に、今回紹介した5大要素を当てはめてみました。ちなみに、『TDP』は最大放熱量のことで、CPUがフルパワーで稼働すると、どれくらい発熱するかという指標です。
購入前にIntelやAMDのWebサイトを見るのがおすすめっ!
この記事で紹介したガジェット
おまけ
CPUも奥が深いよね〜♪
そろそろ自作PCをするということですね?
うぬっ!
数年ぶりのWindows凱旋&自作PCだーーー!
こうやって、また散財が始まるんやね…。
おわり