- USBの端子形状を分かりやすく総ざらい!
- コネクターによって挿抜耐久性やピン数が異なる!
- これからはStandard USBだけになりそう!
USBの端子形状、総まとめの大集合。
今や誰もが利用している端子『USB』。そのコネクターの種類を一覧表にして、それぞれのスペックについて解説しました。
サイズは3種類・Typeも3種類であーるっ!
Contents
USBコネクター種類一覧表
USBコネクター(端子形状)種類一覧表。
¹レセプタクル(コネクター側)のみ存在。
USBコネクターの種類
- Standard USB属
- USB Type-A
- USB Type-A SuperSpeed
- USB Type-B
- USB Type-B SuperSpeed
- USB Type-C
- Mini USB属
- Mini USB Mini-A
- Mini USB Mini-B
- Mini USB Mini-AB
- Micro USB属
- Micro USB Micro-A
- Micro USB Micro-B
- Micro USB Micro-B SuperSpeed
- Micro USB Micro-AB
現在、USB規格のコネクター(端子形状)は、上記の12種類存在します。
そして、これらのUSBコネクターの形状は、通常サイズの『Standard』、少し小さいサイズの『Mini』、さらに小さい『Micro』と分けることができます。
各USBコネクターの解説
ここからは、
- Standard USB
- Mini USB
- Micro USB
の3つのセクションに分けて、USBコネクターの種類を見ていくよー!
Standard USB属
USB Type-A(Standard-A)
- ピン数:4本
- 規格制定年:1996年
- 挿抜耐久性:約1,500回
USBという規格とともに誕生したのが、この『USB Type-A(Standard-A)』というコネクター形状。
現役のコネクター形状なので、おそらく毎日見ているという人も多いはず。1996年当時のUSBというのは、また12Mbpsしか転送速度が出ない激遅なプロトコルでした。
USB Type-A SuperSpeed(Standard-A SuperSpeed)
- ピン数:9本
- 規格制定年:2008年
- 挿抜耐久性:約1,500回
時系列的には後述のStandard-Bよりも後になるのですが、先に『USB Type-A SuperSpeed(Standard-A SuperSpeed)』というコネクター形状を紹介。
USB 3.0(SuperSpeed)の転送速度である5Gbpsに対応させるために、従来のType-AにSS用の信号を追加したのが、このUSB Type-A SuperSpeed。そういう技術的背景から、ピン数は 4本 → 9本 に増えています。こちらも今でも現役のコネクター形状。
USB Type-B(Standard-B)
- ピン数:4本
- 規格制定年:1996年
- 挿抜耐久性:約1,500回
時は1996年に遡って、前述のType-Aと同じく1996年に登場したのが『USB Type-B(Standard-B)』というコネクター形状。
Type-Aはホスト側(パソコン等)に使われるのに対し、このType-Bはデバイス側(プリンター等)に使われるコネクターになっています。登場年もType-Aと同じなので、ピン数も一緒。今でも現役なコネクターですが、見る機会は少し減りました。
USB Type-B SuperSpeed(Standard-B SuperSpeed)
- ピン数:9本
- 規格制定年:2008年
- 挿抜耐久性:約1,500回
ここまでの流れでお察し…ですが、Type-A SuperSpeedのType-B版がこの『USB Type-B SuperSpeed(Standard-B SuperSpeed)』というコネクター形状。
こちらも、従来のType-BをUSB 3.0(SuperSpeed)の転送速度に対応させるために生まれた端子。なので、ピン数は 4本 → 9本 に増えています。
また、Type-Bの場合はType-Aとは異なり、Standard-BとStandard-B SuperSpeedではコネクター形状が異なっています。なので、端子形状の互換性には要注意。
USB Type-C(Standard-C)
- ピン数:24本
- 規格制定年:2014年
- 挿抜耐久性:約10,000回
USBの端子的にはもっとも最新なのが、2014年に登場した『USB Type-C(Standard-C)』というコネクター形状。
最大の特徴はAppleのLightningと同様に“リバーシブル”になったこと。そして、USB PDという最大100Wの電力供給やAlt Modeという映像出力等という多機能になったことが挙げられる。そのため、ピン数が24pinとかなり増えています。
Mini USB属
Mini USB Mini-A(Mini-A)
- ピン数:5本
- 規格制定年:2001年
- 挿抜耐久性:約1,000回
USBが普及してくると、モバイルデバイスでのUSBを採用する流れになった。そこで生まれたのが『Mini USB Mini-A(Mini-A)』というコネクター形状。
このMini USBというプロトコルには、『USB OTG(USB On-The-Go)』という規格が標準搭載されており、そのためにピン数が1本増えて5本となっている。
しかし、Mini-Aは耐久力に乏しく、この後紹介するMini-Bに置き換えられることに…。なので、今では見る機会はほぼゼロと言っていいレガシーな端子になっています。
『USB OTG』とは、USBコネクターがホストとしてもデバイスとしても動作するように生まれた規格。
Mini USBのコネクターにはこのUSB OTGが定義されており、Mini USBのピンアサインの中には、OTG接続判定に利用する『ID』ピンがある。
このIDピンが“High”ならばホストとして動作し、“Low”ならばデバイスとして動作するという仕組みになっている。
Mini USB Mini-B(Mini-B)
- ピン数:5本
- 規格制定年:2001年
- 挿抜耐久性:約5,000回
Mini-Aがとんでもない低耐久だった反省から生まれたのが、この『Mini USB Mini-B(Mini-B)』というコネクター形状。
抜き差し耐久回数は、 約1,000回 → 約5,000回 と大幅に改善され、どこもかしこもMini USB Mini-Bという一時代を築いたコネクターだったりします。2000年代前半のデジカメやPSPに採用。ただ、実はMini USBという規格自体、2006年に廃止となっているので、Mini-Aと同じくレガシーな端子だったりします。
Mini USB Mini-AB(Mini-AB)
- ピン数:5本
- 規格制定年:2001年
- 挿抜耐久性:約5,000回
ちょっと風変わりなMini USB規格なのが、この『Mini USB Mini-AB(Mini-AB)』というコネクター形状。
このMini USB Mini-ABはレセプタクル(端子の受けのほう)に採用されたコネクターで、Mini-AのプラグもMini-Bのプラグも両方挿入することが可能となっています。見る機会はほぼなくなりましたが、昔のビデオカメラやデジカメには使われてしました。
Micro USB属
Micro USB Micro-A(Micro-A)
- ピン数:5本
- 規格制定年:2007年
- 挿抜耐久性:約10,000回
2000年代も後半に入ると、さらにスマホ等のモバイルデバイスが普及してきた。そこで登場したのが、『Micro USB Micro-A(Micro-A)』というコネクター形状。
Mini-AやMini-Bと同様にUSB OTGに対応しており、抜き差し耐久回数も10,000回に大幅向上。コネクター自体が小型化されただけでなく、素材にステンレスを採用したり、Mini USB時代にはなかった“ラッチ”まで搭載。まさに完全上位互換となって進化しました。
Micro USB Micro-B(Micro-B)
- ピン数:5本
- 規格制定年:2007年
- 挿抜耐久性:約10,000回
実はMirco USBにも“A”と“B”があって、一般的に知られているのが、『Micro USB Micro-B(Micro-B)』というコネクター形状。
Micro-Aはコネクター形状が長方形だったので、端子の上下が分かりづらいという致命的な欠点を持っていました。ただ、Micro-Bではコネクター形状は台形になっており、ひと目見て端子の上下が分かるようになっています。
2009年に携帯電話の標準化団体『GSM Association』が、このMicro USB Micro-Bを充電統一規格に採用。これにより、一気にMicro-Aは淘汰され、 Micro USB = Micro-B という流れになりました。
Micro USB Micro-B SuperSpeed(Micro-B SuperSpeed)
- ピン数:10本
- 規格制定年:2008年
- 挿抜耐久性:約10,000回
そんなMicro-BもSuperSpeed化の恩恵を受けるべく誕生したのが、この『Micro USB Micro-B SuperSpeed(Micro-B SuperSpeed)』というコネクター形状。
Standard-BとStandard-B SuperSpeedの関係性のように、このMicro-B SuperSpeedでもピン数の関係からコネクター形状が変化しています。ちょうど、Micro-Bの真横にSS用のピンが追加された形なので、ホスト側がMicro-B SuperSpeedであっても、Micro-Bのプラグは挿さるように一定の互換性は保たれています。
しかし、実際にはあまり普及することなく、前掲のUSB Type-Cに全部持っていかれた形になっています。なので、次第にMicro-B SuperSpeedコネクターは見なくなっていくでしょう。
Micro USB Micro-AB(Micro-AB)
- ピン数:5本
- 規格制定年:2007年
- 挿抜耐久性:約10,000回
Mini-ABのときと同様にレセプタクル専用のコネクターなのが、この『Micro USB Micro-AB(Micro-AB)』というコネクター形状。
このMicro-ABを持ったコネクターは、Micro-AとMicro-Bの両方のケーブルに対応しています。なので、形状もMicro USBっぽくない長方形に。便利そうなコネクターですが、今では見ることはほとんどないでしょう。
あまり知られていないマイナーなコネクター形状ではありますが、dynapocket T-01Bで採用されていたので、個人的には思い入れの深いコネクター形状だったり…。
USBコネクター年表
最後に、USBコネクター形状を歴史年表にしてみました。
作るの疲れたあーる…。
無駄に頑張ったんやね…。
まとめ「USBはA・B・Cと大・中・小だ!」
そういうわけで、USBのコネクター形状についてまとめてみました。うーん、なかなかに端子1つ取っても奥が深いですね。
おそらくいずれは、『USB Type-A』と『USB Type-C』の2つだけ残って、それ以外は廃止されていくと予想しています。Miniはすでに廃止済なので、お次はMicroが廃止になるかも…。これも時代の流れとテクノロジーの進化の系譜なのです。うんうん。
あとはカオスなUSB Type-Cの仕様がどうなるか…かなっ!?
- 2020/02/24:一覧表作成
おまけ
つーかーれーたー!!
かなり大変そうでしたわね。
サクッと作るつもりが、いろいろ調べてみると奥が深かったからねー。
奥が深いといえば、USB Type-CとLightningの関係性とかやね!
……んごぽよっ!?
おわり
Reference:
第490回:Micro-USB とは - ケータイ Watch, 【はじめてのケーブル道 Vol.008】「USB全史」第2回~端子編~ - hermitage akihabara