- 『eSIM』とは端末埋め込み型のSIM!
- 仕組みは最中のガワとアンコな関係!
- これから普及に期待したい技術!
ありがとう。eくすりです!?
日本でも徐々に普及の兆しがある『eSIM』。しかし、何がどうなってて、どこが凄いかがイマイチ…。そんな人のために、eSIMとは何か、仕組みがどうなってるか、メリット・デメリットをねっとり解説します。
冒頭のセリフは太田胃散パロディーだぞっ!
うーん、今の子分かんないでしょ!
でもでも、eSIMは本当に良いSIMなんだぞー!(激寒)
Contents
『eSIM』とは?
今回のキーワードである『eSIM』とは、
- Embedded:組み込み型
- Subscriber Identity Module(SIM):加入者情報部品
を略した言葉で、組み込み型のSIMを意味します。
もっと簡単に言ってしまうと、
スマホにSIMカードを挿入しなくても、電話回線やネット回線に接続できる
というニュアンスのSIMです。
とりあえずは、物理カードじゃないSIMカードって捉えればおけお〜!
あ、矛盾してるとかは思わないでねっ!イメージの話!
SIMの種類
- 標準SIM:カード型
- microSIM:カード型
- nanoSIM:カード型
- eSIM:埋め込み型
『SIM』というものを広く見ると、
- カード型SIM
- 埋め込み型SIM
の2種類に大別されます。
正確に言うと、eSIMにも従来のカード型タイプはあるのですが、私たちが耳にするeSIMというのは、基本的に埋め込み型のタイプでしょう。
また、eSIMでないSIM。つまり、カード型SIMは2019年現在、『nanoSIM』がもっとも主流なSIMになっています。microSIMもたまーに見かけますが、標準SIMはほぼ見なくなりました。古いFOMAな携帯電話だと標準SIMだったりします。
今だと、eSIMかnanoSIMかって感じだねー。
eSIMの普及という面では、かなり日本というのは遅れているほうでしょう。なので、『eSIM』という存在自体を認知していない人も多いはず。ただ、欧州やアジア圏などの海外では、eSIMは当たり前の存在になっています。
とはいえ、おそらく今後は日本でもeSIMが徐々に普及していくと予想されます。なお、日本国内向けのeSIMサービスでは、IIJmioが『eSIMプラン』という名前で、β版ではありますがサービスを開始しています。気になる人はそちらをチェックしてみてください。
そんな、日本でも普及の兆しが出てきた『eSIM』について、これから一緒に見ていくよー!
相変わらず長い前フリやね…。
eSIMの仕組み
eSIMの仕組みを簡単に言ってしまうと、最中のようなイメージです。
- ガワ:eSIM(eUICC)
- アンコ:プロファイル
と脳内変換してくださり〜♪
『ガワ』であるeSIM自体には、最初は通信に必要なデータ(プロファイル)は入っていません。なので、eSIM搭載スマホ(iPhone 11など)を買っても、買った状態ではeSIMで通信はできません。
なので、『アンコ』。つまり、通信に必要なデータを別途入れてあげるのです。このアンコの注入(プロファイルの書き込み)は、Web上(遠隔)で行われます。
これでガワ(eSIM本体)とアンコ(プロファイル)が揃ったので、ようやくeSIM搭載スマホでの通信ができる…という感じです。
ちなみに、プロファイルの書き込みパターンには、
- ユーザーがするパターン(プル型)
- 通信事業者がするパターン(プッシュ型)
の2種類があるんだよー!
ですので、私たちユーザーがeSIM搭載スマホで通信したいと思ったら、eSIM契約できる移動体通信事業者(携帯キャリア)と契約して、プロファイルを貰って書き換えるという感じになります。
こう聞いちゃうと面倒な気がするけど、実際のeSIM契約はかなり簡単であーるよ。
eSIMの書き込み方法は2種類
- M2Mモデル(プッシュ型)
- コンシューマモデル(プル型)
先程チラっと話しましたが、eSIMの書き込み方法には上記の2種類があります。結論から言ってしまうと、私たちが利用するのは『コンシューマモデル』である『プル型』が大半なはず。
ここを掘り下げると大変なことになりそうなので、「こういうのがあるんだ」ぐらいに思っておくのがベターだと思います。エンドユーザーにはあまり関係ない話だったりもするので。
ちなみに、IIJmioの『eSIMプラン』は、プル型のコンシューマモデルになります。
もっとちなみにな話ですが、IIJmioのeSIMは『020』で始まる電話番号なので、『M2M UICC SIM』というものです。なお、020の電話番号はデータ通信専用のSIMになるので、電話やSMSの送受信はできません。なので、利用する際には“ネットのみ”という割り切りが必要になってきます。
とりあえず、知っておくくらいで大丈夫っ!
eSIMのメリット
- SIMカード挿入なしで通信可能。
- 海外でのSIMの利用が簡単。
- 2回線を1つのスマホで利用可能。
- 大手キャリアと併用で月々料金が下がる。
使い勝手が良くて、利用の幅が広がるのがeSIMのメリットだね〜!
【メリット1】SIMカード挿入なしで通信可能
1つめのメリットは、物理的なSIMカードを挿入することなく、スマホで通信が可能であること。
もちろん、eSIMを取り扱うキャリアと契約はしないといけません。なので、「SIMなしで通信できるぞ!やったー!」ということではないので注意。
しかし、従来のようなSIMカードが届くまでスマホが使えない…なんてことはなくなり、契約をネット上でしてしまえば、すぐに通信が利用可能になるのです。すぐ使えるって大きなメリットですよね。
【メリット2】海外でのSIMの利用が簡単
2つめのメリットは、海外用のSIMを渡航先別で用意しなくても良くなるということ。
これがeSIMの真骨頂だと思うのですが、事前に渡航先のeSIMを契約しておけば、すぐに海外でもスマホが使えるというわけです。海外のSIM探しは、海外渡航に慣れていない人にとっては大変なので、きっとeSIMが役に立ってくれるはず。
【メリット3】2回線を1つのスマホで利用可能
3つめのメリットは、2つの違う回線を1つのスマホで使うことができるということ。
もちろんスマホにもよりますが、例えばiPhone 11 Pro。これは、カード型SIMとeSIMの両方に対応しており、このような端末を『デュアルSIM対応端末』と呼んだりします。
これらのデュアルSIM対応端末だと、カード型SIMではau回線、eSIMではdocomo回線のような感じで、1つのスマホで同時に違う回線を持つことができます。
違うキャリアの回線を2つ持つことによって、通信速度が高速なほうを選んで使ったり、電波の良いほうを選んで使うことができるのです。つまり、自分のスマホのギガに死角がなくなるって感じ!
【メリット4】大手キャリアと併用で月々料金が下がる
4つめのメリットは、前述のデュアルSIM対応スマホの場合、大手キャリア(MNO)と格安SIM(MVNO)を組み合わせることによって、通信品質を維持しながら月々料金が下げられるということ。
シングルSIM | デュアルSIM | |
契約例 | au | au + IIJmio |
契約プラン | auフラットプラン7プラスN | 新auピタットプランN eSIMプラン |
容量 | 7GB | 7GB |
月々料金 | 5,650円 | 4,670円 |
au(カード型SIM)とIIJmio(eSIM)の組み合わせ例。
上表はあくまで例ですが、大手キャリアであるauとeSIM事業者であるIIJmioを組み合わせることにより、同じギガ数でも月々料金を下げることができたりします。
私はiPhone 11 Proを使っているのですが、
というデュアルSIM構成にしています。
UQ mobile | IIJmio | |
回線 | au | docomo |
契約プラン | データ高速プラン | eSIMプラン |
容量 | 3GB | 6GB |
月々料金 | 980円 | 1,520円 |
私のiPhone 11 ProのSIM構成。
私の場合は、どちらも格安SIM(MVNO)なのですが、UQ mobileは比較的速いが容量が少ないという悩みがありました。そこで、容量が多くてかつau回線でないIIJmioを組み合わせた、という感じです。
つまり、ギガ数を増やしつつ、2つの異なる回線を契約することで電波を拾いやすくしたというわけです。iPhone 11/11 Pro/11 Pro Maxならおすすめの構成だと思います。
eSIMのデメリット
- SIMカードのような抜き差し不可。
- 設定時にWi-Fi環境が必要。
カードじゃないから、初期設定とか手続きだけ気をつけてって感じだね〜。
【デメリット1】SIMカードのような抜き差し不可
1つめのデメリットは、機種変更をする場合に、別途事務手数料が必要になる場合があるということ。
カード型のSIMの場合、SIMカードの抜き差しをしさえすれば、いわゆる機種変更ができました。格安SIM(MVNO)の場合も同じで、 iPhone → Android のように機種変更する際には、自分でSIMカードを差し替えればOKでした。
しかし、eSIMでは物理的なカードがない(取れない)ので、機種変更の際のプロファイルの書き換えには、有料で手続きが必要になってくるのです。これは間違ってeSIMのプロファイルを削除してしまった場合も同様です。
eSIMのプロファイルは、必要時以外は触らないのが無難だねー。
【デメリット2】設定時にWi-Fi環境が必要
2つめのデメリットは、eSIMのプロファイルを設定する際に、別途Wi-Fi等が接続できる環境が必要ということ。
eSIMの初期設定(プロファイルの書き込み)には、基本的にはWi-Fi環境が必要です。デュアルSIM対応端末で、すでに別のSIMが挿入されており、そちらで通信している場合でも、プロファイルの書き込みはギガを食うのでWi-Fi環境で行いましょう。
日本でのeSIM事業者
IIJmio
月額料金 | 容量 | 回線 | 備考 |
1,520円(税別) | 6GB | docomo | β版 電話・SMS不可 |
IIJmio『eSIMプラン』概要。
IIJmioでは、『eSIMプラン』という名前でβ版ではありますが、日本で先行して国内向けのeSIMプランを提供しています。
eSIM対応機種
スマートフォン
- iPhone XS/XS Max
- iPhone XR
- iPhone 11
- iPhone 11 Pro/11 Pro Max
- Google Pixel 4/4 XL
タブレット
- iPad(第7世代)
- iPad mini(第5世代)
- iPad Air(第3世代)
- iPad Pro 11インチ(2018)
- iPad Pro 12.9インチ(2018)
- Surface Pro LTE Advanced
まとめ「eSIMの普及&競争は日本でも加速するはず!」
今回の『eSIM』についておさらいすると、
- eSIMは端末に組み込まれたSIM
- 利用するには契約してプロファイルを書き込みが必要
- 端末によっては2回線を1端末で持てる
- SIMカードのような頻繁な差し替えには不向き
という感じですね。
日本ではIIJmioぐらいしかeSIMがなく、まだまだ…という感じですが、対応機種も増えてきているのでこれから期待できると思います。ちなみに、iPhoneの『Apple SIM』と『eSIM』は別物なので要注意です。
5GとeSIMは、これからに期待ってとこですな〜♪
この記事で紹介したガジェット
おまけ
電話もできるeSIMが日本で始まったら、それこそ面白いことになりそうだよねー!
現時点では“通信のみ”ですからね。
そうそうっ。
電話可能なeSIMが契約できるなら、2つの電話番号を1つの端末で持てるってことだからねー!
仕事とプライベートの電話を1つの端末で賄えるってことやね!
私は端末分けたい派だけど、そうなりますな〜。
おわり
Reference:
eSIMとは ~基礎知識から、eSIMがもたらす世界まで~ - エンタープライズIT, 従来SIMから何が変わるのか? 「eSIM」の正体を知る - ITmedia Mobile, “L”再び――iPhone XSでIIJmioの「eSIM」を使ってみよう - ITmedia Mobile