コラム

脱Adobeと代替ソフト8つ。デザイナーのサブスク地獄は開放されるか?

脱Adobeと代替ソフト8つ。デザイナーのサブスク地獄は開放されるか?

記事のポイント

  • 脱Adobeに向けて代替ソフトを探してみた!
  • 実務度合いによるけど代替は可能!
  • 脱Adobeは脱サブスクリプションでもある!

Adobe好き。でも、第2の選択肢を…。

写真編集〜デザイン〜プロトタイプ作成〜コーディング…と、Adobeを使わない日はないくらいなのですが、Adobeに縛られ続けるのも怖い…なので、真面目に代替ソフトを探してみました。

二条ねこ

即辞めるとは思ってないけど、移行できる下準備はしておこうっ!

まの

CCの旧バージョンDL不可問題とか、台数制限の変更とか、規約変更への対応策も考えておかねばですものね。

二条ねこ

…そうなんだよねー。

はじめに

Adobe Creative Cloudのアプリ分類。Adobe Creative Cloudのアプリ分類。

Adobe CCのアプリ分類

  • Photoshop:画像作成・ラスター絵を描く
  • Lightroom:写真管理・RAW現像
  • Lightroom Classic:写真管理・RAW現像
  • Illustrator:ベクター系デザイン作成
  • InDesign:DTPデザイン作成
  • Acrobat DC:PDFの作成・編集
  • Dreamweaver:Webオーサリング
  • Animate:HTMLアニメーション作成
  • Premiere Pro:動画編集・動画作成
  • After Effects:動画エフェクト作成
  • Audition:オーディオエディター
  • InCopy:DTP編集
  • Character Animator:アニメーション作成
  • Adobe XD:プロトタイプ作成
  • Dimension:3D画像作成

とりあえず、『Adobe Creative Cloud』で提供されているアプリケーション(パソコン版)を調べて、分類してみました。いつの間にかアプリケーションが増えていて、網羅をするのが難しいことに気がつく…。

二条ねこ

私は動画系のお仕事はしないから、余計にそっち方面が疎いあーる…。

Adobe CCの価格表
  フォトプラン 単体プラン コンプリートプラン
月額料金 980円 2,480円 5,680円
デスクトップアプリ 3 1 すべて
モバイルアプリ すべて すべて すべて
Photoshop
Lightroom -
Lightroom Classic -
Illustrator -
InDesign -
Acrobat DC -
Dreamweaver -
Animate -
Premiere Pro -
After Effects -
Audition -
InCopy -
Character Animator - -
Adobe XD -
Dimension -

モバイル版(iOS・Android)を含めるともう少し増えますが、実務で使う場合はパソコン版がほとんどでしょう。

今回は“脱Adobe”というテーマで記事を進めていくわけですが、これらのアプリケーション群が5,680円/月(コンプリートプラン)で使えると考えると、決して高くない価格設定ではない気もします。

二条ねこ

世の中には自動机Autodeskという、ちょーお高いサブスク地獄もあるのであーるっ!それに比べれば、Adobe氏はリーズナブル…だよね!?

まの

3DCG製作者は大変ですよね。

代替ソフトウェア

ねこ的Adobe CC代替ソフトウェア一覧。ねこ的Adobe CC代替ソフトウェア一覧。
Adobe 代替ソフト
Photoshop Affinity Photo
GIMP
Illustrator Affinity Designer
Inkscape
InDesign Affinity Publisher
Adobe XD Affinity Publisher
Sketch
Figma
Lightroom darktable
Dreamweaver Brackets
Atom
WebStorm
Visual Studio Code
Premiere Pro Final Cut Pro X
DaVinci Resolve
After Effects Motion
DaVinci Resolve

脱Adobeと代替ソフトウェア群。

Adobe Creative Cloudの数あるアプリケーション群の中でも、特に必要度が高いものだけピックアップし、代替ソフトを考えてみました。

二条ねこ

いくつか代替ソフトをエントリーしたものに関しては、その中でも良さそうなのをピックアップしてみたぞー!

Photoshop → Affinity Photo

Photoshop → Affinity Photo

Photoshopの代替ソフトとして、もっとも近いのがSerifの『Affinity Photo』が個人的最有力候補。もうすでにご存知の人も多いかも!?

Affinity Photo 1.5 is here, for macOS AND WINDOWS! - Vimeo

すべてがすべてPhotoshopの代替となるかと聞かれれば…「うーん」な感じですが、Photoshopよりも軽快に動作してくれる(Adobeが重すぎるだけ)ので、全然乗り換えてもアリだと思います。海外でのユーザー数も非常に多く、Photoshopに似ているので、学習コスト低めなのも良き。

二条ねこ

iPadOSだと、iPad版Photoshopよりも、iPad版Affinity Photoのほうが…使えるっ!

Illustrator → Affinity Designer

Illustrator → Affinity Designer

Illustratorの代替ソフトとして、もっとも近いのがSerifの『Affinity Designer』になるはず。はい、さっきと同じSerifさんの製品。

Affinity Designer 1.5 Overview - Viemo

Illustratorばっかり触っている私的に、Affinity Designerはちょっと物足りない感(縦書き・禁則処理が微妙)がある感じ。個人的なイメージだと、DTP業務をしないならAffinity Designerが代替ソフトとして有用な気がします。

二条ねこ

他社とやり取りするなら、余計にIllustrator縛りが出ちゃうよねー。

InDesign → Affinity Publisher

InDesign → Affinity Publisher

InDesignの代替ソフトとして、もっとも近いのが『Affinity Publisher』になるはず。そうです、またまたSerifさん。Serif…すごい。

Affinity Publisher – the next generation of professional publishing software - Viemo

すっかり出版系業務から離れてしまって、InDesignを触らなくなってしまって何とも…な感じになってしまいますが、Affinity Designerも代替ソフトとして良きな印象。
特にRAWデータを直接挿入できるところとか、Affinity PhotoやAffinity Designerとの連携のしやすさとか。自社や個人の利用で完結するなら、Affinity Designerを代替ソフトとして大丈夫そうな気がします。

Adobe XD → Sketch

Adobe XD → Sketch

Adobe XDの代替ソフトとしては、先発かつ定番の『Sketch』をおすすめしたい。というか、Sketchが好きすぎて…。

Adobe XDのとっつきやすさは非常に良いのですが、Adobeのクラウドとうまく同期してくれなかったり、挙動不審なときもしばしば…。ということで、すでに私はSketchに移行しています。
SketchとInVisionを組み合わせれば、リッチなプロトタイピングが作れますし、Sketchの動作の軽快さも良き。あとは、料金体系(半サブスク)がユーザーにとっても企業にとっても、納得できるところもポイントの高さだと思っています。

二条ねこ

英語に抵抗がないなら、やっぱSketchだっ!

Lightroom → darktable

Lightroom → darktable

Lightroomの代替ソフトとしては、フリーソフトの『darktable』が良さそう。

個人的にはLightroomから離れたくない(膨大なライブラリーがある)ので、すぐにdarktableに移行するかは微妙。
ただ、darktable自体がフリーソフトなので、Lightroomと当面は平行して利用してみて、代替ソフトとなりそうだったらガッツリ移行…というのが現実的な気がします。

二条ねこ

どうしてもっていうなら、Adobe CCの『フォトプラン』(980円/月)っていう手もあるからね〜。

Dreamweaver → Brackets

Dreamweaver → Brackets

Dreamweaverの代替ソフトとしては、『Brackets』が軽快動作もあっておすすめ。まぁ、これもAdobeさんですがね。あ、でも無料で使えます。

代替ソフトとなるかどうかは、Dreamweaverをどう使っているかによると思います。単純にエディター的に使っているなら、フリーソフトの中から好きなのを選べばよい気がしますからね。
もし、IDE的に使っているなら、BracketsやAtomに拡張機能をインストールして使うのがいいかもしれません。

二条ねこ

私はBracketsとVisual Studio Codeを使ってるよー!

Premiere Pro → DaVinci Resolve

Premiere Pro → DaVinci Resolve

Premiere Proの代替ソフトとしては、Blackmagic Designの『DaVinci Resolve』になりそう。

動画関係のソフトをほぼ使わないので、何とも言えない部分が大きいのが…すいません。
WindowsユーザーならDaVinci Resolve、MacユーザーならFinal Cut Pro X、という感じでそれぞれ代替すれば良きと思われ。

After Effects → DaVinci Resolve

After Effects → DaVinci Resolve

After Effectsの代替ソフトとしては、これまた『DaVinci Resolve』になりそう。さっきと同じですね。

逆に言ってしまうと、DaVinci Resolveにすれば、Premiere ProとAfter Effectsを補完できるということになりそう。
WindowsユーザーならDaVinci Resolve、MacユーザーならMotion、そういう感じで。DaVinci Resolve自体はmacOS対応ですが、MacのGPUがAMD寄りのことを考えると、Windows向けと捉えておくほうが良さそう。

脱Adobeをする問題点

脱Adobeをする。これにも当然、リスクや問題点があるので、以下に列挙してみました。

  • 納品する形式がAdobe系のもの。
  • データ変換の必要がでてくる。
  • 学習コストがかかる。

学習コストが——というのは別として、結局はホビーユースではない場合については、他社や納品先、そして業務によって、脱Adobeが困難な場合もある気がします。

DTPの縦書き問題や、そもそも印刷会社に納品するときにAI形式(しかもCS6とか)を指定してきたりと、業務にさまざまな人が関わる場合に関しては、脱Adobeをするのはいささか容易なことではないでしょう。言い換えれば、それくらいAdobeがデザイン系を支配しているとも言えるわけでして…。

現実的な脱Adobe化としては、PhotoshopやIllustratorだけ単体で契約しておき、タイミングをみつつ代替ソフトへ移行する。それがベターな気がします。

二条ねこ

このへんは…人によるとしか言えないよねー。

脱Adobeをしたい理由

個人的にはAdobe Creative Cloudの製品群には、毎日お世話になっているし、料金体系に関しても冒頭で話したように、そこまで不満はありません。

クラウドストレージをDropboxに移行させたい。クラウドストレージをDropboxに移行させたい。

ただ、それでも脱Adobeを考えている理由は、Adobe独自のクラウドストレージを使わせようとすること

Adobe独自のクラウドストレージは同期速度も遅く、かつ私の環境ではAdobe XDのファイルの同期エラーが多発してしまっている状況。
さらに、私はクラウドストレージをDropboxに集約させたいのに、iPad版PhotoshopやXDでのAdobe CC同期を半ば強制してくるのが、私には合わなかったということがあります。

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コストの計算

最後に、脱Adobeをすると幾らコストカットできるかを計算してみました。私が使う予定でないソフトは計算に入れてないので、そこは悪しからず…。

代替ソフトの価格

  • Affinity Photo:6,100円(買い切り)
  • Affinity Designer:6,100円(買い切り)
  • Affinity Publisher:6,100円(買い切り)
  • Sketch:99ドル(1年間)
  • darktable:0円
  • Brackets:0円
  • DaVinci Resolve:0円

※2019年11月22日の価格

Adobe Creative Cloudのコンプリートプランだと、5,680円/月のサブスクリプションが発生します。年間だと…7万円くらいですね。

それらを代替ソフトに置換すると、約3万円くらい。
しかも、Affinity系は買い切りなので、1回支払えばOK。Sketchに関しても、1年間99ドルのサブスクではありますが、これはアップデートライセンスという形になるので、アップデートしなくてもよいなら毎年払う必要はありません。DaVinci Resolveについては、『DaVinci Resolve Studio 16』という有償版があり、こちらは33,980円になっています。

まの

かなりのコストカットになりますわね。

二条ねこ

ですな〜。
実際は額面どおりには行かないかもしれないけど、こうやって脱Adobeできるって知っておくことは重要だと思うっ!

砂瀧えり

確かに、第2・第3の選択肢があるのは知っておくと便利やね!

まとめ「Adobeと上手に付き合っていきたい…という願望」

まとめ「Adobeと上手に付き合っていきたい…という願望」

そういうわけで、“脱Adobe”をテーマに代替ソフトを8つばかし探してみました。何だか、代替ソフトというのが失礼なくらい、高機能多機能っぷり。代替というよりは“競合”と呼ぶべきですね。

私も含めて、すぐに脱Adobeは難しいと思いますし、Adobeは価格に見合った機能を提供してくれています。あとは、規約をコロコロ変更したり…Adobe CCのクラウドを強制しなかったり……してくれると嬉しいのですがね。

二条ねこ

Adobeと適度な距離感でお付き合い…ですな〜♪

この記事で紹介したガジェット

おまけ

二条ねこ

Affinity系は普通に良さげなんだよね〜♪

まの

ホビーユースなら、全然アリな選択肢ですわね。

砂瀧えり

結局は、実務的に他社や他人が絡むと大変ってことやんね。

二条ねこ

そうなりますなー。

おわり