- 歴代ゲーム機のCPUとビット数をおさらい!
- ビット数至上主義のピークは第6世代かも!
- 高ビット数・高スペックCPUはロマンだった!
8!16!32!
歴代ゲーム機のビット数と入っていたCPUを、据置型と携帯型に分けておさらいしてみます。すると見えてくるのが、ビット数を上げることの意味は“ロマン”ということかも?
どゆことー?
そんなロマンのために上げるものなん?
もちろん必要だからもありますが、顧客訴求の側面も強かった気がするのです。
Contents
歴代ゲーム機のビット数
まずは、気になる歴代ゲーム機のビット数と使われていたCPUを、据置型と携帯型の2種類に分けて見ていきます。
据置型ゲーム機
発売年 | ハード名 | メーカー | ビット数 | CPU |
1983 | ファミリーコンピュータ | 任天堂 | 8bit | RP2A03(RICOH製) |
1985 | セガ・マークIII | SEGA | 8bit | uPD780C-1(NEC製) |
1987 | PCエンジン | NEC | 8bit | HuC62(ハドソン製) |
1988 | メガドライブ | SEGA | 16bit | MC68000(Motorola製) |
1990 | スーパーファミコン | 任天堂 | 16bit | Ricoh5A22(RICOH製) |
1990 | ネオジオ | SNK | 16bit | MC68000 |
1994 | PlayStation | SCE | 32bit | MIPS R3000A(MIPS製) |
1994 | セガサターン | SEGA | 32bit | SH-2(日立製作所製) |
1996 | NINTENDO64 | 任天堂 | 64bit | MIPS R4300i(NEC製) |
1998 | ドリームキャスト | SEGA | 32bit | SH-4(日立製作所製) |
2000 | PlayStation 2 | SCE | 128bit | Emotion Engine(東芝製) |
2001 | ニンテンドーゲームキューブ | 任天堂 | 32bit | PowerPC Gekko(IBM製) |
2002 | Xbox | Microsoft | 32bit | Intel Mobile Celeron(Intel製) |
2005 | Xbox 360 | Microsoft | 64bit | PowerPC custom(IBM/Microsoft製) |
2006 | Wii | 任天堂 | 32bit + 64bit | BroadWay(IBM製) |
2006 | PlayStation 3 | SIE | 64bit + 128bit | Cell Broadband Engine(SCE/東芝/IBM製) |
2012 | Wii U | 任天堂 | 32bit | Espresso(IBM製) |
2014 | PlayStation 4 | SIE | 64bit | AMD Jaguar(AMD製) |
2014 | Xbox One | Microsoft | 64bit | AMD custom CPU(AMD製) |
2017 | Nintendo Switch | 任天堂 | 64bit | Tegra X1(NVIDIA製) |
据置型ゲーム機のビット数とCPU一覧。
できる限りCPUの情報からそのビット数を書いたのですが、第7世代(Wii・PlayStation 3・Xbox 360)からCPUの構成が複雑化してきているので、ビット数に関して細かい数値を出せてないことを、あらかじめ断っておきます。
実はこのRICOHは、あの理化学研究所から派生した企業(理研コンツェルン)のようですね。そして、理研コンツェルンは渋沢栄一によって、設立されていたりするのですよ。
おおー!
新紙幣で話題の渋沢栄一だねっ!
携帯型ゲーム機
発売年 | ハード名 | メーカー | ビット数 | CPU |
1989 | ゲームボーイ | 任天堂 | 8bit | LR35902(SHARP製) |
1990 | ゲームギア | SEGA | 8bit | Z80A |
1996 | ゲームボーイポケット | 任天堂 | 8bit | LR35902(SHARP製) |
1998 | ゲームボーイライト | 任天堂 | 8bit | LR35902(SHARP製) |
1998 | ゲームボーイカラー | 任天堂 | 8bit | LR35902(SHARP製) |
1998 | ネオジオポケット | SNK | 16bit | TLCS-900(東芝製) |
1999 | ワンダースワン | バンダイ | 16bit | ASWAN |
2001 | ゲームボーイアドバンス | 任天堂 | 32bit + 8bit | ARM7TDMI + LR35902 |
2003 | ゲームボーイアドバンスSP | 任天堂 | 32bit + 8bit | ARM7TDMI + LR35902 |
2004 | ニンテンドーDS | 任天堂 | 32bit + 32bit | ARM946E-S + ARM7TDMI |
2004 | PlayStation Portable | SCE | 32bit | CXD2962GG |
2005 | ゲームボーイミクロ | 任天堂 | 32bit + 8bit | ARM7TDMI + LR35902 |
2006 | ニンテンドーDS Lite | 任天堂 | 32bit + 32bit | ARM946E-S + ARM7TDMI |
2008 | ニンテンドーDSi | 任天堂 | 32bit + 32bit | ARM946E-S + ARM7TDMI |
2009 | ニンテンドーDSi LL | 任天堂 | 32bit + 32bit | ARM946E-S + ARM7TDMI |
2011 | ニンテンドー3DS | 任天堂 | 32bit | Nintendo 1048 0H |
2011 | PlayStation Vita | SIE | 32bit | Cortex-A9(ARM製) |
2012 | ニンテンドー3DS LL | 任天堂 | 32bit | Nintendo 1048 0H |
2013 | ニンテンドー2DS | 任天堂 | 32bit | Nintendo 1048 0H |
2014 | Newニンテンドー3DS | 任天堂 | 32bit | Nintendo 1446 17 |
2014 | Newニンテンドー3DS LL | 任天堂 | 32bit | Nintendo 1446 17 |
2017 | Newニンテンドー2DS LL | 任天堂 | 32bit | 不明 |
携帯型ゲーム機のビット数とCPU一覧。
こちらも、据置ゲーム機と同様に、年代とともにCPUがよく分からない状況に…。特にニンテンドー3DS系は、ARMのライセンスを受けた任天堂独自チップのようで、情報は海外にもなかなか転がっていないカオスな状態でした。
3DSにCPU『Nintendo 1048 0H』は、製造元が不明らしいのです。ARM Holdingsのライセンスだけ受けたことは判かるのですが…。
携帯ゲーム市場は、任天堂の独擅場やしね。
そもそも『ビット数』とは?
ちょっとゲームから離れて、コンピューター用語である『bit』とは何かを、少し解説しておきます。
そもそも、コンピューターは2進法(ONかOFF)で動いています。そして、その情報単位を『bit』というもので表します。例えば、1ビットだとすると、“0”と“1”という2種類の情報が扱えるということです。
いろいろ端折ってまとめると、
2n = bit数
という公式になります。
この公式から考えると、
- 8bit = 28
- 16bit = 216
- 32bit = 232
- 64bit = 264
- 128bit = 2128
ということになりますね。
128bitって…凄い情報量を扱えるんだねっ!?
現在のPCのOSは64bitが主流ですが、PlayStation 2は昔のゲーム機でありながら、PCのはるか先を行っています。これは、ゲーム自体がハードではなく、ソフトで稼ぐジレットモデルであることと、半導体技術をゲームのために集中できるからこそ、そういう天元突破が実現できたわけです。
歴代ゲーム機を振り返って思うこと
最後に、歴代ゲーム機のビット数を振り返って、感じることを書いていきます。
ビット数は“売り”であったし“夢”であった
歴代ゲーム機のビット数を見てもらうと分かるように、CPUの高性能競争(高ビット化)のピークは、PlayStation 2の頃。ゲーム機の世代でいうと、『第6世代』です。
古くは『メガドライブ』の本体にデカデカと書かれていた「16bit」の文字。そして、名前に64ビットと入っている『NINTENDO64』。もちろん、久夛良木氏の夢『PlayStation 2』は128ビット。
そう、ゲームハードの歴史は、ビット数の歴史でもあったということです。…途中まではですが。
PlayStation 2のCPUである『Emotion Engine』を、真の128ビットでないと言う人もいますが、当時のプレスリリースでは「完全な意味での128ビットCPUの開発は、世界で始めてのもの」と書いてあるので、SIEの名誉のためにも128ビットにしています。
本当は128ビットの必要性はなかった
PlayStation 2にしても、NINTENDO64にしても、当時のソフトウェア性能でCPUがそれほどまでの高ビットである必要性がなかったのかもしれません。
メガドライブのCM。
CPUが128ビットだとすると、演算で天文学的な情報量を扱えることになるので、高度な科学計算でもしない限り必要がない…のではと思ってしまいます。本当にその性能が必要だったのかもしれませんが、カメラの画素みたく、消費者への分かりやすい訴求力という側面が強かったのかもしれません。
このへんの性能に関しては、もう少し文献を漁る必要がありそうですね…。
まとめ「ゲーム機の高ビット化はロマンだった」
CPUの性能はビット数だけでは語れません(コア数やクロック周波数も性能に起因するので)が、ある時期まではビット数がゲーム機の性能を計るひとつの指標であったことは、紛れもない事実でしょう。
だからこそ、“ビット数はロマン”だったのです。
ある時期まで処理速度の高さを売りにするのは、どんな業界でもあることですが、ゲーム機はその中でも顕著な感じですね。
名前に64ビットって入れちゃうくらいだもんねっ!
専用のCPUを開発してたっていうのも、ギーク的には何だかロマンを感じるところやんね!
この記事で紹介したガジェット
おまけ
ビット数をどのメーカーも公表してくれると、まとめやすいのですがね。
途中から分かりづらくなったのは、CPUのビット数をプッシュしなくなったからかもだねー。
そうですね。
CPUを複雑化したり混合化しているものが増えてきたので、一概に言えなくなった部分もきっとあるのでしょうね。
100メガショックとか…ね!(これはソフトの容量のこと)
おわり