- 新型SurfaceとCPUを振り返り!
- AMDとARMが採用された理由を考察!
- OSもCPUもユーザーに合わせた多様化の時代へ!
ハードウェアから読み取る真意。
今月初頭に行われた『Microsoft October 2019 Event』という、Surface関連の発表イベント。その発表された製品群から、MicrosoftのCPUやOSの“裏”を考察してみますぞ。
それって…どういうこと!?
今回採用されたCPUは、Intel・AMD・ARM系の3つ……。
そうっ!そこなんだよーー!
Contents
『Microsoft October 2019 Event』概要
#MicrosoftEvent Live - YouTube
今回の話のネタであるMicrosoftが10月2日(現地時間)に行った、『Microsoft October 2019 Event』というSurface関連の発表イベント。まずは、こちらについて簡単なおさらい。
発表されたデバイス
- Surface Laptop 3
- Surface Pro 7
- Surface ProX
- Surface Neo
- Surface Duo
- Surface Earbuds
今回のMicrosoft October 2019 Eventで発表されたのは、上記の6つのSurfaceデバイス。
内訳としては、Windowsが4機種、Androidが1機種、完全ワイヤレスイヤホンが1機種という感じでした。おそらく、多くのユーザーは折りたたみデバイス(Neo・Duo)に目が行ったはず。はい、もちろん私もそのひとり。
今回の議題的に『Surface Earbuds』は、話から外しておくから各自調べてねー!
各種Surfaceデバイスのスペック比較
Surface Laptop 3 | Surface Pro 7 | Surface Pro X | Surface Neo | Surface Duo | |
OS | Windows 10 | Windows 10 | Windows 10 | Windows 10X | Android |
CPU | Intel Core(13.5″) AMD Ryzen(15″) |
Intel Core | Microsoft SQ1 | Intel CPU(Lakefield) | ?(ARM) |
GPU | Intel Iris Plus(13.5″) AMD Radeon Vega(15″) |
Intel UHD(i3) Intel Iris Plus(i5・17) |
Microsoft SQ1 Adreno | ? | ? |
新型SurfaceシリーズのOSとCPU比較表。
発表されたSurfaceデバイスのOS・CPU・GPUは上表のとおり。
なお、Surface NeoとSurface Duoに関しては、本イベントでは詳細を明かしませんでした。ただ、NeoはIntel CPU確定で、DuoはAndroidということを考えるとARM系が搭載されるはずでしょう。
新型Surfaceから思う変化
そんな、Microsoft October 2019 Eventで発表された各種Surfaceシリーズについて、感じたことを書いておきます。
CPU:Wintel同盟の終焉
まず、すぐに思ったことが、いわゆる『Wintel同盟』というMicrosoftとIntelの蜜月関係が、もはや終焉を迎えているということ。
ハードウェアベンダーとしてのMicrosoft、つまりSurfaceシリーズというのは、慣例的にCPUにはIntel製のチップを使っている。2013年に発売された初代Surface Proから、ずっとフラグシップ系にはIntelというのが当たり前だった。(Windows RT系はNVIDIA製CPU)
しかし、今回のMicrosoftの発表を見ると、おそらくMicrosoftが力を入れているであろうデバイスには、Intel“以外”が使われている。
Surface Laptop 15″はAMDのRyzenだし、Surface Pro XはMicrosoftとQualcommの共同開発のCPU(SoC)がそれぞれ採用されているという状況になっている。
IntelをMicrosoftが見限った…ということではなく、競合他社とも手を組むような姿勢になった。そう考えるのがよさそうな気がする。ただ、従来のようなWintel同盟については、終焉に向かったと考えるべきかもしれない。
MicrosoftデバイスのCPUに、AMDが組み込まれる時代が来るとはだよねー。
OS:ベンダーとしての方向性転換
そして、もうひとつ大きなトピックというと、SurfaceなのにWindows“でない”デバイスがあるということ。
SurfaceシリーズはMicrosoftの純正デバイスなので、当然Windowsが採用されていた。今回も、Windows 10・Windows 10Xがそれぞれ採用されている。しかし、それに加えて、Surface Duoには『Android』が採用された。これは大きな事件と言える気がする。
Windows 10Xは置いておくとして、Surface Duoという小型デバイスにAndroidを採用したということは、Microsoft的にはモバイル市場を諦めていない(Windows 10 Mobileは失敗したが)という現れでもある。
さらに、自社のモバイル用OSを新たに開発するのではなく、すでにモバイル用OSとして最適化されているAndroidを採用した。Windows 10 Mobileの後継OSを開発するわけではなく、だ。
つまり、MicrosoftのSurfaceというハードウェアは、自社のWindows OSを囲い込むための撒き餌ではなくなった。そして、Microsoftがピュアなハードウェアベンダーとして、市場に参入しているということな気がする。
Microsoftが本気の本気モードになったってことだと思うっ!
Microsoft Event 2019考察
MicrosoftとSurfaceについて“以外”にも面白いことがあった。なので、それらについてのMicrosoft October 2019 Event考察をしていきたい。
AMDのメジャーCPU化
CPU関係で、いの一番に感じたのが、
- Surface Laptop 3 13.5″:Intel CPU(Core)
- Surface Laptop 3 15″:AMD CPU(Ryzen)
という、同じデバイスなのにインチ違いでCPUが違うということ。
おそらく、インチ数が大きいほうがフラグシップ的扱いなはず。つまり、『Surface Laptop 3 15″』が上位機種ということ。
それを考えると、AMDのRyzenがより上位のCPUとMicrosoftが判断したのではないか。そう、AMDのCPUがIntelと同じクラスのCPUとして認知されたという意味を持っていいる気がする。AMDがマニア向け…なんて、今は昔かもしれない。
AMDがマイナーってわけじゃないけど、Intelの2番手なイメージがあった気がするからねー。それが対等になったって感じっ!
AMDerの皆さんは嬉しいでしょうね。
Intel ≠ フラグシップCPU
先程の話の流れから分かるように、
Intel CPU > その他CPU
という構図はもはや崩れ去ったのかもしれない。
もちろん、各CPUともにMicrosoftが直々に採用するくらいのものなので、どれが上でどれが下ということを考えるのは野暮かもしれない。ただ、もはやIntel CPU一強時代ではないということ。
AMDのRyzen含め、SnapdragonをはじめとするARM陣営も、強力なライバルとして台頭してきているというのです。
CISCとRISCの関係性
そして、MicrosoftがRISC CPUを本気で開発・採用し始めたということ。これも半導体界隈では大きなトピックとなっているはず…たぶん。
今までは、
- パソコン向けOS(Windows・macOS):CICS CPU
- モバイル向けOS(iOS・iPadOS・Android):RISC CPU
という流れがあったと思う。
それがついに、パソコン向けのOSであるWindowsにも、Microsoft SQ1というARMベースのCPU(SoC)が採用された。つまり、CICSからRISCにシフトしてきているということな気がするわけ。
この背景には、LTEなどの通信やロングライフバッテリー重視、そしてARMベースのCPUがIntelに肉薄してきたということがありそう。ただ、完全にARMベースに移行するというよりかは、iPad的な立ち位置の2in1 PCはARM、ハイエンド的PCはIntel・AMDという棲み分けをしている気がする。
現実的には、x64向けアプリをどうするか問題が出てきちゃうからねー。
そうなると、クリエイター向けに出すSurface Pro XとAdobeの関係も気になってきますわね。
発表イベントでAdobeのデモがあったくらいだし、Arm64のネイティブアプリ版を作ってくるのかもだねー。現実問題として、時間とリソースはかかりそうだけど…。
OSとCPUの勢力図が大きく動きそう
勝手に推測しているだけなので、当然だが真意は不明。ただ、今回のMicrosoft October 2019 Eventで思うのは、OSとCPUの勢力図が変わってきそうということ。
Appleが、iPadをiOSからフォークさせて『iPadOS』なるものを作ったように、MicrosoftもARM向けにWindows 10をチューニングしていく気がする。それがもしかすると、Windows 10XというフォークOSかもしれない。
要するに、タブレットがスマホやパソコンとは違った、新しいポジショニングを確立してきたということな気がする。今までのような、iOSと一緒、Windows 10と一緒、そんなモバイルOSやパソコンOSに引っ張られたものではなく、タブレットOSという独立したOSに各社フォークしていく予想を個人的に立てたい。
当たってたら、何かちょーだいっ!
それはないですね。せいぜい褒められる程度かと…。
まとめ「OSとCPUの多様化時代への幕開け」
今年の『Microsoft October 2019 Event』は、大枠でのハードウェアの攻めた感じが注目されそう。でも、ソフトウェアやCPUのようなミニマムな世界でも、大きな変革期に立っている気がした。
Appleが同じことをしたら、Appleらしいで終わりそうだが、Microsoftがするなら話は別。きっと、2020年にはOSもCPUも、勢力図が大きく変わってきている…はず。
Microsoftの内部方針が変わったってことかもだねー!
この記事で紹介したガジェット
おまけ
こうやって妄想するのが、一番楽しかったりするんだよね〜♪
未来のガジェット感もあったし、なおさら期待しちゃうやんね!
問題はSurface NeoとSurface Duoの価格ですわね。Galaxy Foldのような凶悪な価格設定にならなければよいのですが…。
うむぅ…。
おわり